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小説タッチ「価値観に勝とうぜ!(全5回)」第三話

  • 2009/03/26(木) 09:58:12

 ☆ ☆ ☆
第三話
〇違 と 異

Nちゃんは、実は、こっそり声フェチだったのだ。すべてのオーラを分析した一鶴は、当然そのことを知っていた。そこでNちゃんが一番スキな声質に変え、ただ心の窓を開くのが目的だった。それまでのNちゃんの心の窓は何年も締まりっぱなしになっていたのだ。それではこれからのNちゃんの人生がゆたかになれない。Nちゃんの人生が今まで、なぜゆたかになれずにいたかというと、人のはなしを聞く前から、「自分の価値観は、ぜったい間違っていない」と、無意識に思っているためだった。この無意識ってヤツが実にやっかいで、この無意識というヤツは、思いこみを強くし固着化させてしまうため、すなおに人のはなしを聞くことの、あのすばらしい強さへの感覚をふせさせてしまう。とくにNちゃんの窓は、固くサビが付着し始めていたため、本人がすなおになるきっかけを何度も逃していたのである。Nちゃんは、仕事するたびに価値観を持って仕事する。そんな仕事づけの毎日では、それ以外の何でもないことの中に潜んでいる大切なことに気がつくはずもなかった。そこでまずは、この機会に一鶴が、人のおはなしを、とにかく聞ける
よう心の窓を開かせてあげて、さらに空気の入れかえもしてあげて、それから価値観の中にある広い世界を説いてあげればいいとの判断をもとに、いろんなおはなしをして、そこにいろんな世界が、Nちゃんの毎日に、すぐそばに常にころがっていることを気がつかそうと、一つのアイテムとして声を変えたはずだったのだが、まさか、Nちゃんの恋ごころに触れようとは、さすがの一鶴も、いくら人間界の女性とはいえ、それだけは読めなかった。
女ごころは、人間界でも、何が起こるかわからんのぅ。そら人間界の男もたいへんや。
そこを一鶴は、ふまえ
「Nちゃん、今、意識、飛んでたでょ(笑)」
「えっ! は ぃ」
「大丈夫、僕も しょっ中 うれしくなって、意識 飛ぶから(笑)。じゃあ ゆっくり こっからはなすから。
Nちゃんは 人から それちょっと違うんじゃないの?と言わんばかりの雰囲気を感じると
自分の価値観を キズつけられないように、戦闘態勢に入ったりするわけだけど もちろん自分では そんな感じはしてないと思う。でも そのとき Nちゃんはそんな自覚はなくても キッとなる感覚がはたらいてしまう。職場のみんなは 何も Nちゃんが言う価値観を否定してるわけじゃないんだぁ。あなたの価値観は そう捉えてるんだぁ、わたしは こういう風な 価値観を もってるから、一つよろしくねって感じのラフさを みんなは職場の和として 求めているのさ。
Nちゃんの価値観を違うと、だれも言えない。
でも 逆に Nちゃんは まわりのみんなの価値観が 異なるのが 認められない。
それは、お互いキツいんじゃないかなぁ。
元々 価値観に正解や不正解がないからねぇ。
この トマトラーメンは おいしいって 思う価値観が 正解だ! その価値観意外、ありえない、なんて 言わんばかりの雰囲気を出されたら みんな 反発感覚があって当然だよね。
ちょっと余談をすると、「違う」という漢字の「違」と、「異なる」という漢字の「異」は どちらも 音読みだと 「い」で同じだけど
訓読みすると 読み方は 違うし 意味が異なるよね?
それと似てるとおもわないかぃ。
価値観は人間だれでも もってる。
でも 一人づつの価値観は 違う質や種類のものであり、異なる点があって当然。
だから、価値観の宿命は、人によって、それありっ これもあり あれもありって こともあるし、
それはあっても、これはない、
それがなければ あれもないってことも「ある」んだよ、人間界にはね。
それが、人間のおろかさをうっ!!!」

調子に乗って 人間のおろかさを生むって言おうとしたとき そこは 言わなくてもいいからっていう合図をくらった。 Kちゃんに 足の甲をふまれたのである。
なにをするじゃあ と 言おうと振りむいたとき Kちゃんがしんみりして

「Nちゃん、Nちゃんがあそこ(職場)で みんなを仕切らなあかへん立場は うちもわかんねん。
そやけど 最近のNちゃん 仕事してるとき ピリピリしてて 明るないから ・・・
うん、なんとか 昔 みたいに 明るいNちゃんを あそこで、
みたいと おもって・・・・」と言った。

Nちゃんは 一点に 氷がすでにとけた 水の入ったコップを みながら・・・・・小さく
「おKぇ・・・・・」と言った。


つづく


次回をお楽しみに !

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